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店舗の内装工事の納期遅れで損害賠償を請求できるのか?

店舗の内装ではオープン日が決まっている場合が多く、設計や施工が予定より遅れると大きな損失につながることもありえます。その際スケジュールの遅れが内装会社側にあると認められたら、損害賠償を求めることができる場合もありえます。内装会社が納期を守らなかった場合にどのような対応をしていくべきか見ていきましょう。

金色のフレームの時計

1. デザイン設計の場合

デザイン設計は一度契約を結んだ場合は、簡単に契約を解除できるわけではありません。施主側の要望が変更したり話し合いがまとまらずに、スケジュールに遅れが生じてしまった場合の責任範囲が明確ではないからです。

どのような場合に設計者の契約不履行が認められ、損害賠償を請求することができるのか見ていきましょう。

1-1 設計者との契約を解除

デザイン設計提案の納期を守らなかったことで、施主と設計者との間に信頼関係がなくなってしまった場合は、法的に契約を解除することができます。ただしその時点でできあがっていたデザインや設計などの提案物はもらえないことが多いです。

それに加えて設計者に対して損害賠償を請求することが可能です。損害賠償を請求範囲はあくまで設計が遅れたことによって、どれくらい店に損害を与えたのかを証明しなければなりません。そのためには別の設計者に依頼して、店のオープン後の利益に基づいて計算する必要があります。仮に3ヶ月遅れでオープンして月の利益が100万円であれば「月の利益100万円×3ヶ月=300万円」というように算出することができます。

したがって実際にいくらの損害を与えたのかが証明できないので、店をオープンする前に損害賠償を請求するのは難しいのです。

1-2 契約を続ける場合

設計者との契約を解除してしまうと、それまでの図面などの成果物を受け取ることができません。設計者を探して打ち合わせしてプランを作成してもらって…という一連の流れを再度行うことでさらなる工数がかかってしまいます。オープン日をこれ以上ずらしたくない場合であれば、その設計者との契約を続けることがベストな選択肢と判断する場合もあるでしょう。

その場合は通常の設計業務を行ってもらった上で、設計料から値引きをしてもらうことが通例となっています。値引きの金額は設計料の数パーセントとわずかな金額になる場合が多いです。ただしそれに加えて契約を解除する場合と同様に、オープンが遅れた期間に応じてその期間での利益分を損害賠償として請求することが可能です。

1-3 契約不履行と認められる期間は?

それぞれのケースで問題となるのが、どれくらいの期間遅れた場合に契約が不履行となるのかという点でしょう。

一般的に店舗の設計は一度のプレゼンで決まることはまずありえません。最初の提案をたたき台としながら、設計者と施主との間の話し合いで計画を変更していくのです。当然話し合いがまとまらなかったり、施主が決めるべき点を決めていない場合は、設計作業が遅れて設計期間が伸びることも往々にしてありえるのです。

このような場合は設計者が「契約書の期間は目安」と主張すれば、その言い分は通る場合が多いのです。したがって一般的に1-2ヶ月程度の遅れであれば、契約不履行とは認められないケースがほとんどでしょう。ただし設計者に対して期限をしっかりと伝えれば、それが認められるケースもあります。

2. 施工の場合

施工の場合は設計と比較すると完成物を受け取らずに、契約を解除して白紙に戻すことが事実上難しいですし、結果的に工期は後ろにずれ込みオープンも遅れてしまいます。そのため日々工期にそって工事が進んでいるのかチェックをしていくのがベストな選択肢であると考えられます。

しかし現実的には全てうまくいくわけではなく、結果的に契約を解除しなくてはならないケースも出てきます。

2-1 一部解除

工事内容が分割ができるかつ当事者が利益を有している場合であれば、施主は工事が完了していない部分に関しての契約を解除することができます。一方ですでに工事が完了した部分に関しては、基本的には契約を解除することができません。これを一部解除といいます。

一部解除を行うと工事が未完了の部分は次の施工業者に引き継ぐことになります。この際既存の施工部分の確認のように前の業者との二重業務が発生してしまうので、その分施工金額は高くなってしまいます。
ただし実際に契約を一部解除できた場合でも問題はあります。それは工事の続きを行ってくれる施工業者が見つからないことです。なぜなら施工業者はすでに完成していた工事範囲に関しても監理責任があるため、万が一その範囲で問題が生じた場合に前の業者の瑕疵を引き受けなければならないからです。

2-2 全部解除

一般的に内装工事は一度始めてしまうと一部解除しか認められない場合が多いですが、例外で全部解除が認められるケースもあります。それは全部の給付がなければ目標が達成されないと判断された場合です。
例えば一部解除にした場合に前述した理由から、現実的に業者を探すのが難しいと判断された場合は全部解除を行うことができます。

その場合最初の業者は工事完了済み部分の原状回復工事を行い、すでに支払っている工事費用を全額返金して白紙に戻す義務があるのです。

3. まとめ

仮に内装会社から損害賠償金がもらえるとしても、余計なトラブルに巻き込まれたくないというのが多くの人の本音でしょう。そういったトラブルを回避するためには事前に計画性を持っておくことが非常に重要です。

あらかじめ契約不履行の場合のペナルティを定めておき、内装会社に任せきりにせずに期日までにしっかりと作業が終わるように働きかけるようにしましょう。

施工・工事

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